米国は金利を4%台まで上げたのに、なぜインフレが止まらないのか
発刊日:2024年2月12日
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日経平均が38,855円(16日10:05現在)とあと50円でバブル最高値を更新しようとしている。日本経済の再生をかけた幕開けとなるか
日本の現状は未だに半導体は40ナノレベルと世界に遅れを取ってきたが、TSMC熊本で6ナノ、北海道では3ナノと日本の反撃が始まる
始まった春闘の行方も気掛かりだ、世界の投資家は日本の賃金に注力し、インフレの上昇に連動した実質の賃金上昇もあつく見守る
ITバブル崩壊後、半導体が日本経済復興の鍵を握れるのか。半導体が更に小さくなると社会の何が変わるか、これから検証する
まず、梱包費、倉庫、運搬と物流費の削減が大きい。結果、排ガスの抑制に繋がり環境への負荷としての貢献は脱炭素からだ
次に、より小型化し様々な商品への内蔵が始まる。開発が進むAIが搭載されより小さな端末が世界の様々な領域に普及する
更に、コストが下がれば需要が増え、量産化体制が拡充し市場も拡大する。これが、小さな半導体が予測する経済の効果だ
ただ、少し危惧することもある。世界のものの値段が画一化される危険性だ。グローバル経済が謳歌させた比較優位論がその根拠だ
関税と物流費を除去した場合、最終的に世界の物やサービス価格が同じになるという論理で、EU(ECC)やTTP が世界に唱える正義だ
この論理はグローバル経済を促進させるが、国家のナショナリズムには反する。最終的な結末は食糧や鉱物などの国家資産に準拠する
即ち、原材料を輸入して製品化を輸出する産業モデルは材料の輸出国に依存せざるを得ない。その国の収益対象は人件費のみとなる
問題はこの人件費だが、AIが進捗すると検査や作り込み、出荷とあらゆる人の作業が自動化される。人件費が原価になる評価は終わった
商品やサービスのプライスは何を根拠に決まるのか、労働原価の積み上げで価格が決まるのはマルクスの資本原理で姿を消した
本日(2024年2月17日)サマーズ元財務長官が利上げのコメントを投げた。以前と続く高いインフレが要因だが、市場の憶測には逆接した
この憶測には次の米国の大統領選挙が影響していることと憶測できるが、現職ではない元財務長官が発信した"利上げ発言のブーメラン"は如何に
大方の機関投資家はこの6月に米国のFRBは金利を下げる予測をしているようだが、この利上げ発言のブーメランは、米国のどこに戻るのか
市中の金利と実体経済の間には必ずそのギャップが発生するが、米国のバブルは暴落するのかもしくはさらに上昇するのか
世界に発信する情報にも市場との間にギャップが見えてくるときがある。それは、市場の予測が反転する時だ、必ず来る
プラスかマイナスか何れかの情報のギャップが大きいほど相場が反転する。山高ければ谷深しの名言のように不思議と変化する
輸出が復活していないこの日本で円安効果の株高はないが、海外投資家から見た1ドル150円台の為替相場なら購買力は増大化する
日銀の植田新総裁は、市中の要望も適確に受け止め長期国債レートをやんわりと少しずつ静かに金利の上昇を誘導している
以下、日銀が2023年12月4日に公表している過去25ヵ年を対象とする金融市場のレポートを紹介する。アドレス以下の通りとなっている
リンク(日銀:過去25年間の本邦金融市場の振り返り~ https://www.boj.or.jp/mopo/outline/bpreview/data/bpr231206a.pdf)
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