発刊日:2024年9月12日
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来る2024年9月27日の自民党総裁選でこの難局を背負い日本の総理大臣が選出される。周知のとおり、日本の選挙は間接選挙制度を採用したことから、過半数を有する自民党の議員による選挙で内閣総理大臣が事実上決定する。対比して欧米の選挙では大統領制を導入し、一国の大統領を国民が直接選ぶ手法だ。 |
古代のギリシャでは、選挙ではなく、くじ引きで政治家を選出する制度を提唱していた。日本も最高裁で死刑判決を課せられるような裁判に限り、裁判官が民間から選択されるが、まるで古代ギリシャのくじ引きの選挙と全く同じ様相だ。 |
米国は2大政党制をとり、保守政党が野党の第一党と選挙で争い、国の政を決定する。今の分裂している米国の民主主義政治を推察するには日本の保守的な社会風土に少し難しい文化のギャップすら感じる。その2大政党制を論じ、日本に米国の大統領制を持ち込もうという勢力が日本の国家をどこまで守り切れるというのか。 |
双頭戦略という言葉も世の中にはあるが、マーケットの敵を倒すのに使われている手法だが、倒す敵の"その敵"をまず探し、その敵に後方支援する戦略方式だ。あらゆるプロパガンダを用いて敵を戦闘地帯に誘導し自己の敵を戦争で疲弊させる戦術で、主に武器商人が使う言葉のようだが、米国の政治が今まさにこの双頭戦略の渦に巻き込まれ、昔の南北戦争を思い起こすほどの緊張が高まっている。 |
相反する思想を二極化し、相手方の陣営を徹底的に避難して自己の正当化を誇張させる。先に影を作り、偶像を写像化させる戦略だ。このマジックのような選挙戦略のどこに、国民の意見を反映し、国内の歴史及び伝統、文化を守ることができるというのか、甚だ疑問である。 |
この双頭戦略は政治の世界でもしっくりと応用が利く、米国では"女性の中絶問題"や"国民の武器所有"などの主張がメディアを通して聞こえてくるが、相手方陣営の誹謗中傷が止むを得ず繰り返されている。日本も同様に女性問題から政治献金問題とこの傾向のプロパガンダは無数に炸裂している。誰がどのような戦略でプロパガンダを発しているというのか |
米国では、労働組合などの非白人系の勢力を背景にする極左勢力と南北戦争で勝利した白人系の古き良きナショナリスト達との紛争だ。米国のドルが世界支配を勝ち誇った後、この対立は永遠と続いている。米国のトランプ元大統領はグローバル思考を停止し、アメリカンファーストで米国の国難を乗り切ろうとしている。 |
以前、日本の某東証プレミア企業の株主総会に出向いたとき、旧総会系のメンバーと思われる人々が株主総会で経営陣に様々な質問を投じていた。昔であれば、右派の総会屋グループ陣営などが企業の防衛に回り、定時の決算総会を何ら問題なく運営してきた時代もあったが、労働組合がストライキを起こして企業を解体するような政治的プロパガンダ戦略も日本では少し馴染まない。 |
されど、この政治的なプロパガンダは世界の隅々まで複雑に吹き荒れている、思想分裂の東西冷戦のように単純な構造ではなく、新たな民族の南北戦争ともいえる分断が今始まっている。万が一、自民党の総裁選挙で、この政治的プロパガンダが作動し、他の立候補者への非難と攻撃のみで、候補が選出されてしまうようなことがあれば、以下の政局が予想できる |
1.新たな総裁が正当な理由もなく可及的速やかに衆議院を解散し、衆議院選挙が開始 2.衆議院選挙で自民党が大敗し、単独過半数を割り、単独での政権が獲得できない 3.野党若しくは何れかの新党が自民党に猛追し、野党で連立を組み政権を奪取 |
年配の保守中道派のナショナリストたちは、この分断に巻き込まれることは決してない。戦後、保守中道を称し、批判せず、現実的な政策の判断を積み上げ、政治を動かし日本を守り抜いてきたからだ。昔の左翼活動家は行動を起こすと社会逃避して逃げまくる、逆に右翼の活動家は行動を起こすと最後は切腹し責任を取る。これが日本の文化でもあった。 |
さて、欧米の大統領選挙はお祭り騒ぎどころではない。2021年当時に時価総額が1兆ドルを超えたテスラのトップが50億ドル相当の保有株を売却し、後にトランプ元大統領の支援を表明した。2023年12月に鉄鋼業界の米鉄鋼大手のUSスティールを日本製鉄が2兆円での買収を発表すると、今の米国政府が二の足を踏んでいる状況だ。 |
仮に日本に大統領制度が投入され、直接選挙になれば「知名度」「資力」「人脈」という3つパワーで支配され、本来の政治家が国民との間で公約とする「政策」の論議より、メディアを通じたSNSやTVなどを通じたメディア戦略が選挙の票を決することとなるだろう。この人気取りのコンテストのようなお祭り騒ぎで選挙が終わり、具足ない迎合政治とも揶揄され兼ねない。 |
本来の民主主義に必要なテーゼは、教育による"政治学"の啓蒙も必須だ。戦後の教育改革で政治を考える国民の意識が緩やかではあるが下がるところまで下がった。されど、不思議なことに今、政治を考える若者も増えてきた。今の日本に必要なことは中庸の理ではと、ふと考える。足して二で割って敵を作る双頭戦略や分断方式ではない。 1.人と企業の声を聴き 2.個人と法人の利益バランスをとり 3.社会が安定的に成長できること これが、政治の世界における中庸の理でかと考える。 人と企業が対立し労使対決が起こり、政府と人が対立し暴動が起きる 2024年9月27日の選挙で誰が自民党の総裁となるのか 自民党の国会議員、地方議員、党員の決断で誰を総理に選出するのか、大いなる勇断を望む |
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