日経平均3万5,664円、日本の経済は復活できるか
発刊日:2024年1月12日
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「まだはもうなり、もうはまだなり」という有名な相場の格言があるが
市況の分析で相場観が形成された際、再度、相場を見つめ直して分析をせよ
江戸時代中期の1557年に発行された八木虎之巻の有名な相場格言からのメッセージである
この格言は、世界に先駆けて取引が行われていた大阪の米相場から作られたものだが
実に妙を得た含みの多い言葉である、現在の金融市場においても的を得た絶妙の投資ポリシーだ
バブル時代の株式相場も、大型株に始まり、中型株、グロースと相場は拡大し、エクイティという未公開株迄投資の対象となった
不動産も同様に拡大を続け、都心の一等地から上昇した土地の価格は、住宅地まで一気に拡大し、最終的にリゾート地まで急拡大した
されど、今回、期待される株式の急騰は、少し、旧バブル時の様相と変化している、5年目となった第49号では、今の株式市場をマクロ的に分析する
まず、決定的な要因として、先週から続くバブル崩壊後の高値更新は、日本経済の再稼働が見え始めた証であるといえる
2023年12月28日の東京証券取引所の時価総額が867兆円の評価となっているが
本日の日経平均が35,619円と僅か8営業日の間に6.44%も上昇した
単純に日経平均の上昇率から時価総額の推移をみると、922兆円と推定できる
本日、調整もあり多少相場を下げたが、あと8.44%上がれば1000兆円の大台に迫る
日経平均の終値で38,625円を付けた段階で、日本の株式総額がやっと1000兆円となる
バブルの最高値が38,915円であったことを思うと、この相場は不思議なめぐり合わせにも写る
昨年度、税の話があまりできなかったこともあり、税の話から株式相場の見通しを補足してみたい
国内の税収は、油や車、もしくは不動産などに課税されている、物品税などの直接税と、企業やサラリーマンOLが源泉されている、所得税の他
国の保有資産の売却、貸出収益、印紙税収益など、税収や借金の、その他収入などを合算し、国家の財政を賄う
戦後、この間接税と直接税からなる直間比率の見直しは、大いなる政治的課題であったのは周知のとおりであるが
所得税の負担が多ければ、勤労意欲は低下し、物品税の負担が多ければ、原価率が上昇し、収益の圧迫から、企業の維持継続化を阻むジレンマが生じる
されど、税収が増加しなければ、物価の上昇に見合う、政を引き受ける政府の運営コストも用意できず、国民の社会インフラがバランスをとって成立できない事態ともなる。
では、株式市場と主な政府の財政収入たる税金との関係を検討する。
所得税など間接税は法人と個人の収益に対する課税となることから、国内の消費を低減化させるのは必須で、課税と需要はバランスが取れないと反比例する
つぎに物品税などの直接税は、調達コストに直接課金することから、経済の流通を低減化させるのは言うまでもない。
バランスという言葉を使ったが、法人や個人の購買力が需要を上回る状況となれば、需要が増加し課税のマイナスを相殺しすることで、経済は成長する
いくら需要があっても購買力がなければ、毎日の食材も購入できず、食糧安保が崩壊してしまうのである
昨日、政府発表で中小企業に対する賃金の引き上げを支持しているが、全くの本末転倒と云わざるを得ない
物品税や所得税の引き下げをまず実施し、中小企業の収益力が増加、336万社(2021年6月公表値)の企業に潤沢な資金が、潤沢に滞留しているのであれば、全く別の話だが
消費税に始まり、増税ばかりか、輸入の物価高に始まった、先の見えないインフラの時代に突入し、実質賃金は全くのマイナスとなっている
いくら働いても、支出の増加で家計や中小企業の収支は改善されていない、手元の資金が減少する中、中小企業への財源を補助することもなく、あまりにも理不尽な、政府解釈だ
原理は単純である、いかなる減税も市場を上げるのである、日銀が長期市中レートを1%前半に見据え、金融市場も本方針を評価し始めた
国家の収益は税金だけではない、保有資産の売却という目先の調達ばかりでなく、政策による内需拡大はいくらでも、大いにある
オイルショックを乗り切った日本列島改造論もあった、過去のバブル崩壊を乗り切るのに、次なる一手は何か、現在の岸田政権にも大いに期待する
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