発刊日:2023年5月12日
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(on 2023/5/17配信;#1/2)
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最新のAI技術、アメリカで人気の学部がなんと文系だ。論理から作るプログラムはAIが瞬時にこなす、用件定義に始まり、概要設計、詳細設計、コーティング、最後はバグ出しまできれいサッパリ作り上げる。
戦後の経済の高度成長期は、理系の学生が中心となり、日本の国家は高度に成長した。人工がうなぎ登りに増加し、ものを作れば飛ぶように売れた時代でもあった。
AIの世界でなぜ文系の学生が求められて始めたのか?この理由は単純だが少し奥が深そうだ。
理系の学問は、原則として問題の入口に前提という結果がある。公式や原理を研究する学者の仕事は一旦据え置きし、理系の仕事は効率や予測の計算がずば抜けた早さで答えを出す。
今から45年前から始まった共通一次試験、目新しかったマークシート方式におる国内の共通テストだ。この試験から偏差値と評価ポイントが生徒に配布され、試験勉強の効果測定に使われた。
選択形式の問題が出されていることから、応用より選択という知識の集約、よって出題傾向などの分析を背景とする集中的な受験勉強の競争が始まった。
学校を卒業後、社会に出て最初に戸惑うことは幾重にも出現する。あらゆることが初めての経験となり、否応なしに現実の世界が飛び込んでくる。
その知識集約型の受験戦争を拒否している学校もある。例えば、欧米の優秀な私立大学などの受験体系だ。全く予測不可能な質問を選択し、標準的な答えのない問題を出題する。過去の知識に集約せず、新たな学問領域の開拓や従来不可能であった原理原則を創造するクリエイト精神を重んずる傾向だ
ビジネス用語にもあるがゼロベースの思考法だ。自社の商品をどう売るかではなく、今のマーッケットでは何が売れるかが、この反転する思考の違いがバブル崩壊後の日本と欧米社会との大きな成長性のギャップとなったといえる。
では、何を作るか、何のサービスを提供するか、このゼロベースの仕事がAIの決定的に苦手な分野とみる。何を作るかマーケティング情報をAIに組み込んだところで、既に作れた過去の商品に終始するのが関の山となり、過去のデータから潜在需要を抽出するのはAIにとって難題と受け止める。
人間の頭脳は2%程度しか動いていないらしい。AIの頭脳は過去のデータを集積し最初はでたらめな回答を生成し設定した要件による膨大な検証を経て回答を絞る
AIの仕事はここから始まり、そのコンピューターがもつ最大の計算容量まで膨大な回答を一度は出し、その検討も効果測定を桁違いに処理し、適正な回答を導きだす。これがディープラーニングと言われている手法だ
AI社会はまだ到来していない、文系の学生はゼロベースの発想で様々なロボットの頭脳を作り上げ、AIによる自動化が完了する時代が何れは到来する。
この時代が、2045年問題と云われている人類の課題の年だ。あと22年で彼ら優秀な文系学生の頭脳により、ビジネスの自動化が全て完了する。
2045年問題で云われていることは、ビジネスの喪失だけではない。最大の危機はAIによる価値観の依存性だ。
本日、東京大学が実施したAI模擬裁判をTV番組で流していた。
裁判の判決をAIの頭脳に置き換えたときにどのような判決を出し、その判決を裁判の当事者がどう評価するかを実証していた。
彼らはAI裁判を世に出して国民の評価を得たいというのがその目的だ、一審の判決を効率的に行う目的でAIを活用し、控訴審による上告する際に従来の裁判官による判決もあるのでは、という声も上がっていた。
決して誤解を生じさせないことが最も重要だが、AIは優秀な電卓であることに間違いはない。過去のデータから答えを無限に並び立て凄まじい件数の検証を行い、より標準の回答を瞬時に導き出すのがこのデープラーニングによるAIの能力だ。
過去に全くの前例のない人類が想像もできないような事件が発生した際にAIの優秀な頭脳はどのような回答を出すものか、そして最大のリスクはそのAIによる情報の操作だ、AIに意図するディープラーニングを仕込めば簡単にAIの頭脳など即座に支配できる。
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