半導体の復活で
戦後第二の内需拡大が始まる
発刊日:2023年3月12日
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先の3月14日、桜の開花宣言がメディアをにぎわった
例年になく早咲きの様子で、東京の桜も開花ラッシュが始まる
古事記の時代の昔から、桜を眺めながら食事を酒とともに味わう、日本人の楽しみの一つだ
さて、今年は池波正太郎の生誕100年という年にあたるようだ
正確に伝えると1923年1月25日生誕ということなので
ことしの1月25日が100年目ということになる
なぜ池波正太郎の時代劇はこうも日本人の心を鷲掴みにしているのか
鬼平犯科帳では火付け盗賊改め長谷川平蔵が盗賊の裁きをするのがこの物語の道筋だ
江戸の時代、火付けと盗賊は他の犯罪と区別し、特殊な仕事を請け負っていた組織のようだ
ただ盗人を捕縛し、処刑したのでは物語としても成立しないし時代劇としての見どころもない
多くのファンが共通する長谷川平蔵の見どころは、その裁きにあるのではとする意見を多く聞く
罪を憎んで人を憎まずという言葉もあるが、平蔵は憎しみで盗人を裁くことは一切ない
平蔵の裁きには、普段は懐深くに眠っている義理と人情がこの時代劇の主役だ
盗人の罪人が平蔵の懐の深い裁きに感銘し、火付け盗賊改めの"犬(スパイ)"になる
そして、忍びの情報網と同様の情報ネットワークを構築していくシナリオだ
今の言葉に置き換えると、CIAやKGBなどの諜報機関に対するダブルスパイのようなものだ
では、このストーリーに完結する長谷川平蔵の裁きは何を基準としているのか、再考してみる
先ほどの義理と人情という言葉を使用したが、平蔵の義理とはサムライの心得ではないのか
戦国時代の昔から、侍は刀で人を切り戦い、上官から一声掛かれば即座に切腹も果たした
民主化した今の世の中で人を殺せば殺人で罪人となり、法により裁かれ罪を償うこととなる
侍は自己の命を預け、将軍の命により人も殺し切腹も作法に則りさらりと実行する、これがサムライの生き様だ
鬼平犯科帳に登場する罪人には共有する掟がある、『人を殺さず、貧乏人は襲わず、女は犯さず』という掟だ
登場する盗賊は盗みを生業とすることから、金品を盗むこと以外を一切ご法度とするという取り決めだ
この描写が毎回画面に登場することにより、鬼平犯科帳が他のヒーローものと対峙する独自の魅力と見て取れるのでは
田圃を耕し稲を植え、畑を耕し種を植える農耕文化では少し見えづらい視点でもあるが
太古の欧米社会では、獣を捕まえることを生業とした狩猟民族が、今も末永く続いている
妻や子供を育るために手段として獣を捕まえ、その"生業"が狩猟であったという見方だ
昔から、食事をするときに「頂きます」と声に上げ、食事をとる
古来から、人は海や山などの自然の恵みや太陽のひかりに対し感謝があった
侍が人を殺すのと同様、人が海や山からの恵みを頂くことはその命を預かっているという自負だ
池波正太郎の時代劇では、盗みを生業としているのであることから盗人は当然罪人である
『人を殺さず、貧乏人は襲わず、女は犯さず』と盗人にも五分の魂があることを認めたのが鬼平犯科帳だ
先般、エール大学のアシスタントプロフェッサーの成田雄介が高齢者の集団自決をSNS上に投げかけた
人口のピラミッド構造が逆転し、逆ピラミット社会の構造改革プランとする高齢者の集団自決だ
人を生かすために人を殺すのが正義なのか、この問題は負のスパイラルのように人類に重くのし掛かる
されど、この発想は選民思想そのものである、人類を文化や民族で選別し不要な民族を壊滅させる危険な発想がベースだ
長谷川平蔵は盗人の五分の魂を理解し、盗人ない社会を作るために元盗人の戦士を集める
普段は盗人社会で盗人の手引きをしながら、火付け盗賊改めに全ての計画を報告し、あらゆる罪人探しに奔走する
毒のある主にはその毒で制し、昔の敵も今の兵隊という曲芸をもサラリと取り計らったのが長谷川平蔵であった
善か悪か、世の中そう簡単にスパット割り切れるものでもない
ましてや人類のあらゆる部族やあらゆる民族の歴史伝統文化を選択することなどあってはならない
日本の国家は専守防衛の国だ、バブル崩壊後も労働者を切らずに賃金の軽減化でサラリーマンの首切りも回避した
戦争は外交の失敗であるとよく言われている
国際戦時法という人殺しの作法を定めた法律の準拠して相手国と交戦する
移民や関税、貿易の交渉は外交のステージだが、経済の成長に外交は必須である
昨今、地政学的にも緊張が高まり、ウクライナの如く、いつ暴発が始まっても不思議ではない世情となった
単なる反戦活動で国防を担える時代でも毛頭ない、米中冷戦構造のような不穏な時代が再来するのか
コロナ過の時代が経過し、結果、国内回帰の重い舵取りを持ち上げ、戦後第二の内需拡大社会が始まる
台湾の半導体に始まり、サムスンを控える韓国の経済連携の強化もあり、調達網が再開される
大手企業は、優秀な下請け工場との連携を商物分離の再構築により、
原価の低減化を最大限に協力し、国を挙げて商品の収益力を回復させることに期待する
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