日本の普通国債、残高990兆円(令和3年見込み)
発刊日:2021年11月12日
-->
※この文章は音声データに変換できます。ボタンを押して再生ください。
隣国の財務状況を伺うと、中国の共産党は、向こう5ヵ年で200億ドル相当の外貨を準備したようだ。
実質的に破綻した恒大集団などの債務弁済に準備した資金と予測される。
総額33-35兆円が借金の総額だが、2兆ドル程度が米ドル建てで、既に金融市場では、利回り70%相当のジャンク債となった。
金融の世界に「金消費貸借契約」というファイナンスがある。
一般的な「金銭消費貸借契約」ではない。
①金銭消費貸借契約とは、「金銭(Cash)」を借用し、「消費(使用)」することを認めた、契約である。
借用したお金を、「消費」してよいのである。
②金消費貸借は、「金(Gold)」を借用して、「消費(売却)」することを認めた、契約である。
マーケットで現物を処分して、通貨と変換する(消費)することで資金を得るのが、この契約だ。
よって、契約の満期に金銭(Cash)を弁済することはできない。
決済時点で、必ず金(Gold)の現物を用意して、債権者に返すのである。
一見、金銭を貸した方が、リスクをヘッジでき安全な債権のようだが、、、。
この金消費貸借契約は、金(Gold)の保有者が駆使する、投資のアルゴリズムだ。
金庫に格納していても、金は増殖もせず、増えることは一切ない。
よって、比較的長期の貸付債権として活用する。
債務者が弁済期に金(Gold)の相場が下がっていれば、債務者は儲かるが、
金(Gold)の相場が急騰した場合には、債務者は現物を調達する資金を用意して金を買戻しし、金を弁済するのが至難の業となる。
すなわち、債権者は金利を「金(Gold)に設定すれば、金が増え、「現金(Cash)」を選べばその通貨が増える、債権者は自由自在だ。
1815年にベルギーで勃発したワーテルローの戦いと云われている戦争があった
イギリスとオランダを中心とする連合軍とフランス革命で誕生したナポレオンのフランス軍との戦いだ。
当時の欧州の王朝政府が主眼とした、この金消費貸借契約により、この戦費もまかなわれた。
即ち、両国の発行した国債と金(Gold)をスワップし、双方の国に資金を供与し、戦争は始まった。
結果、戦勝国の国債は急騰し、敗戦国の国債は紙屑となる。
19世紀から20世紀に向けて、世界情勢が不安定な中、戦費調達の手段として、この金消費貸借契約は利用された。
さて、2021年11月16日の現代に時間を戻す
1979年から始まった、対中国へのODAによる、対中国の円借款は40年間で3兆6,500億円であった。(注:外務省公開データ)
円借款と云われている日本円の金銭消費貸借契約であったが、恒大集団と同様に外貨(円)建ての負債であった。
国家が、外貨を借金するリスクはどこにあるのか
その国家負担となる借金のリスクは、貿易赤字による対外収支の赤字だ。
輸入が輸出を上回れば、当然、外貨の準備高が減少し、返済リスクが高まる。
日本政府が発行した国債990兆円は、一切の外貨建て国債は発行していない
されど、プライマリーディーラー(旧、国債シンジケート)には外資系の企業も登場している。
日本政府が発行する国債は、全て、このプライマリーディーラーがこれを引き受ける。
引き受けのノルマは、総勢20社で1社あたり5%相当となる。
仮に30兆円相当を発行した場合、1社あたり一律に1.5兆円が引受けとなる
以下が、令和3年5月26日時点でのプライマリーディーラーのメンバーたちだ。
1.SMBC日興証券株式会社
2.岡三証券株式会社
3.クレディ・アグリコル証券会社 東京支店
4.クレディ・スイス証券株式会社
5.ゴールドマン・サックス証券株式会社
6.JPモルガン証券株式会社
7.シティグループ証券株式会社
8.ソシエテ・ジェネラル証券株式会社
9.大和証券株式会社
10.ドイツ証券株式会社
11.東海東京証券株式会社
12.野村證券株式会社
13.バークレイズ証券株式会社
14.BNPパリバ証券株式会社
15.BofA証券株式会社
16.株式会社みずほ銀行
17.みずほ証券株式会社
18.株式会社三井住友銀行
19.三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社
20.モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社
(注: 財務省HPより、抜粋 ~ 令和3年5月26日