発刊日:2021年6月12日号
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前回、資本主義の進化には、以下の2要件が必須であると提唱した。
一、AI(人工知能)を生産手段としての活用
二、情報(インテリジェンス)の偏差是正
一部のメディアでもコメントしてるが、今回のG7は、中国を陰の主役とする、全くの独り舞台であった
米国、民主党政権のバイデン大統領が、選挙の直後から、対中国への攻撃態勢を、180度変換した。
その、予想外の方針転換にそって、イギリスのコーンウォールでのG7が始まった。
第一点として、イギリスが抜けたEUの揺らぎからか、対中国に対するG7の足並みは揃い始めた。
先の2020年10月30日、第19期中央委員会第5回全大会が中国であったが、
昨今の風潮とは逆説的に、一帯一路から、内需拡大への一大転換を図る声明を発していた。
そして、6月11日に公表された、データ安全法の制定
中国の国内で、データの収集や加工など、反国家に対する規制を定めた新しい法律だ。
結論から言えば、以前からネットワーク上の情報監視は続けていたが、今回は、「全部」の情報が対象だ。
対国家の反動分子が交錯し、国外の特殊エージェントに対するインテリジェンスの提供を指しているのではない。
国内外の企業が、決済する取引のデータがその狙いとみる、ビットコインで世界トップのマイニング企業となった企業が対象か?
このデータ安全法を根拠として、キャッシュレスが進み、中国経済の決済インフラをそっくり拘束するというのか。
「情報(インテリジェンス)の偏差是正」とは、本件のような政府による民間データの強制収容も含まれる。
人工知能がディープラーニングするには、より巨大なデータが必要となるのは当然だが、中国では政府がこれを所有する。
今回のデータ安全法で、中国の仮想通貨マイニング事業者や決済サービスを提供するベンチャー企業は、共産党政府の門下に下がるのか。
情報の世界に、SINGINT/OSINT/HUMINTという言葉がある、映画や小説の世界で、諜報工作員が使う言葉だ。
中国のデータ安全法は、この情報活動とは全く無縁であると見受けられる。
諜報活動とは、全く無縁の一般人がSNS上でささやいた言葉も対象であるならば、そう云わざるをえない。
情報(インテリジェンス)の偏差とは、本来、分散されている情報が偏っている状態を指し、あるべき情報がない状態を指す。
即ち、都合の悪い情報を箒(ほうき)で履いて、見えないところに仕舞い込んでしまった状態である。
インターネットは5Gとなり、世界最先端のセキュリティ技術が量子コンピュータから生まれる時代となった。
いくら箒(ほうき)で掃除をしても、その小さな「ほこり」は拡散し、すぐ、元のパブリックな領域に還元される。
64ビットのISDN回線の時代であれば、まだしも、旧ソビエト連邦時代のような強権的な情報統制は、もはや時代ではない。
その小さな「ほこり」が静かに集約され、巨大なハリケーンにより、大きな渦を上げる時代が来るというのか?
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