欧州連合(EU)は、欧州の関税協定から始まった。
発刊日:2022年7月12日
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1951年のパリ条約及び1957年のローマ条約を経て
同年、欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC)及び欧州原子力共同体(EAEC)が発足した
これが、今の欧州連合(EU)の誕生であった。
ヨーロッパ国内の関税の自由化を最初のスローガンとして、経済共同体の体制が始まった。
参加するヨーロッパ諸国は、関税の撤廃による輸出貿易の拡大に期待した。
と同時に人材の流入も各国の規制を撤廃し、欧州の経済を復興させた。
以前、EU加盟国であった英国のボリス前大統領が、この7月7日に辞任を発表した。
英国にて、EU脱会の国民投票を行い、51.9%の離脱票となり、参加したEUを脱会した。
その奪回に命運をかけ、死力した前大統領が、政界幹部の辞任を理由に辞退した。
米ドルが基軸通貨となる以前は、英国のポンドが世界の基軸通貨として君臨していた。
第二次世界大戦後、各国の通貨を固定交換レートとするブレトンウッズ体制のもとで、ドルに移った。
唯一の金本位制による英国ポンドの通貨体制が終了したのであった。
既に通貨発行権を有する欧州連合(EU)は、既に国家の体制が整った。
米ドルに並ぶ通貨を供給し、欧州委員会という政策の執行を行う。
欧州司法裁判所では、欧州連合内における最高裁判所に該当し、加盟国とは一線を課した決定権を持つ。
当然だが、ナショナリズムの高い国家は、この国家共同体構想に懐疑的な傾向もあった。
その傾向か、英国は国民投票により欧州連合(EU)の脱会を決断し、
関税や移民政策などに関する政策決定権を従来通りの国家に戻した言える。
参加した国際連合に参加した国々では、自国通貨とユーロ通貨を併用して使用する。
さらに、自国通貨とユーロとの通貨交換は、欧州連合により、レートや供給量が管理される。
自国通貨の発行権限は自国に留まるが、ユーロの安定化を理由に様々な制約があるのは致し方ない。
今、我が国の日本円は、市場の予測どおり、円安にシフトが進んでいる。
1ドル139円台に突入し、1日で2円も相場が下落した。ドルが高いのではなく、円が安いのである。
資本主義と戦う日銀の国債買い入れオペが最大の背景である。
穀類の輸入物価が、海外の現地で上昇しても、円安にはなりません。
原油の輸入価格が、海外の現地で上昇しても、円安にはなりません。
為替通貨の最大要因は、米ドル(現在の国際基軸通貨)との金利差で決まります。
日銀は、2022年2月14日から、国債の「指し値オペ」という、国債の無尽蔵な買取を始めた。
日本の国債は、毎年30兆円程度発行され、旧債務の償還や財政赤字の補填に使用されている。
その30兆円規模の国債は、25社からなるプライマリーディーラーという国債引受人が、一度買い受ける。
発行された国債はプライマリーディーラーが金融市場で売却し、日銀の当座勘定へその借入金を弁済する。
その市中で売約した日本国債を日銀が「指し値」の指標にしているのが、中期国債の利回りである。
現在、日銀は「0.25%」を公約とする市場の指し値を入れている。
結果、日銀は1,000兆円を超える国債の一大債権者となった。
海外のファンドは、この無謀ともいえる金融政策に対峙し、国債の空売りを仕掛けている。
日銀が、この指し値を放棄し、国債の暴落に勝負しているのが海外の列強ファンド勢である。
日銀は、国債ばかりではなく、日本の上場株式も大量に持っている。
国債同様に最大の大口出資者で、国債は既に50%を超え、株式は時価総額で51兆円を超えた。
国債は1,000兆円をすでに超えていることから、額面が500兆円越えとなる。
欧州連合(EU)が通貨統合で欧州諸国の経済を再考させようと死力している中、
日銀が下した金融市場への挑戦は、どこまで持ちこたえることができるのか、
輸入物価の現地価格と急激な円安シフトへの緊急の対策を求められているのは、言うまでもない。
市場への挑戦ともとれる、この日銀の金融政策は、
資本主義の大原則たる「市場原理」を受け入れざるを得ない究極の局面だ。
株式の相場も暴落と急騰を繰り返し、市場を通じて経済が成長する。
市場への指し値は、この経済原理を無視した暴挙であるばかりか、
日銀が国債や株式を買い付けるのは、禁じ手と云われ市場で封印してきた。
一度、市場での洗礼を受けて、市場の再発を図るのも膨大な体力がいるが、決断せざる得ない状況か。
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