米国の自動車王「ヘンリーフォード」
発刊日:2022年6月12日
-->
※この文章を音声データに変換、ボタンを押して再生ください。
-
奉仕を主とする事業は栄え、利得を主とする事業は衰える。
会社の損益で方針を定めず、常に公益を見据えることで、企業は自然と栄えるとした。
渋沢栄一は、論語と算盤との文武両道を唱え、ヘンリーフォードは公益こそ企業だと喝破した。
本日、2022年6月16日は米国の自動車王ヘンリーフォードがフォードを設立した日であった。
発明家エジソンのエジソン証明会社の技術者となり、後にフォード社を立ち上げした。
周知のとおり、ヘンリフォード氏に対する評価は世界で賛否両論となっていたのも事実ではある。
さて、本稿でのテーマは、労働者の賃金問題である。
当時のヘンリーフォードは、平均的賃金の2倍の給与を設定し、労働者は募集した。
当然、米国内の優秀な自動車職人たちが軒並み集合し、世界最高峰の生産ラインを作り上げた。
仮の今の日本の水準(@1,850円)から想定すれば、自給3,700円クラスの職人級のレベルである。
当時、会社の利益配分の一環として、高額の労賃を支給したと説明があったようだが、まさに奉仕を主とした決定であった。
と同時に、生産ラインをモデル化し、事業効率を高めたことで、結果、人件費の比率が対売上で大幅に低下した。
今、政府からよく発令される「最低賃金」という言葉があるが、少し、歯切れが悪い。
監督官庁の労働基準監督署は、この最低賃金の支給を企業が怠ると、逮捕権を行使できる。
賃金未払い報告を受けると、職場に出向き、検察庁の逮捕令状を持たずして逮捕もできるのである。
一般的に、逮捕権の行使ができる警察であっても、検察庁の逮捕令状をなくして、逮捕はできないのが決まりだ。
現行の最低賃金にも、真っ向から反対とする意見もある。
それは、低賃金を違法としてしまうと、労働生産性の低い労働者が解雇され、低所得者層に対する仕事が壊滅する恐れだ。
現在、コロナ過の惨状も踏まえ、政府のセーフティネットたる生活保護の被保険者数は、2,049,630人となった。(令和3年1月分概数)
フォード社がデトロイトの自動車王になれたのは、自からの判断で給料を2倍にしたのであって、決して最低賃金の取り決めなどではなかった。
憲法の立法方法にアクティブ法とネガティブ法という言葉がある。
アクティブ法は、「国民は○○ができる」というような、権利を保護する法律の作り方を指し
ネガティブ法は、「国民は○○をやらなければならない」という、義務を課す法律の作り方を指す。
我が国の法律が、ネガティブ法により制定されているので、最低○○○○円の賃金を払わなければならない、と定めた。
事業は、創業時に同じ志を持つ仲間が集まり、資金に始まり、技術や営業力を集めて会社を作る。
今、バブル崩壊後の約30年を経て、テスラの次は「水素」とする意見も市場で耳にするようになった。
中国広東省のIT企業が総崩れし、次は米国のIT企業が崩れだした。
水素とは、水素をエネルギーとし蓄電池搭載の自動車燃料とする技術に始まって
二酸化水素と重水素(三重水素)との融合による発電エネルギー開発などを指す。
製造した水素は、液化水素で運ぶわけだが、爆発やガス化に対するリスク回避の課題も多い。
テスラが電気で自動車を作り、時価総額が1兆ドルを超えた時期もあった。
同じくして、次のテスラは「水素」では、と市場の関係者はその投資先を模索しているようだ。
フォードに次ぐアメリカの自動車王テスラ社は、電気の動力がけん引したが、次のエネルギーは水素となるのか。
※この文章を音声データに変換、ボタンを押して再生ください。
国内外の経営者もしくはこれからベンチャー企業を目指す将来の経営者予備軍の方々へ向け
毎月12日にネットでの限定発信により、2020年1月~毎月「しんか」をご提供しております。
>
OIA協会トップページへ