■政府の歳出総額が、総額175兆円!?
( on 2020/12/12号~2020/12/16;#1/2 )
※この文章を音声データに変換、ボタンを押して再生ください。
先日の15日に開催した臨時閣議の決定により、本年度の歳出総額が175兆円を突破した。
コロナ緊急対策による、歯止めなし、前代未聞の予算規模となった。
政府が発表する一般会計予算では、一般歳出のほか、国債の利息及び元本を含む国債費と地方交付税交付金で編成する。
本年度の予算では、この国債費を22.75%とした。
(注:財務省公開データを参照~https://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2020/seifuan2019/02.pdf)
残りの77.25%から地方交付税交付金15.40%を差し引いた一般会計が61.85%であった。
本年度の一般会計が15.40%となり、61兆7千億円となっていた。
すなわち、15日の第三次補正予算の増額した支出総額は、本年度予算の2倍を超え、前代未聞の予算補正となってしまった。
同様に、この増額した予算は、地方交付税交付金から見ると、これが5倍の規模となった。(注:令和2年度の地方交付税交付金は15兆8,093億円)
この財源は、はたして何処からか?
国民への一律給付をはじめ、先般、菅総理の決断で中止したGoToトラベルを含む、この財源は臨時国債で賄う他なかった。
3度の補正予算に合わせ、既に30兆円クラスの増発を実施し、総額で112兆円規模となってしまった。
財務省の公式発表によると、年度末における日本の国債発行残高は1,182兆円に達する見込み。
あまりにも巨大な資金が高速で流動し、国家の債務が急騰している。
ここで注意すべきポイントは、税収とのバランスであるといえる。
本年度の税収とその他収入(投資や資産売却など)の歳入残高は70兆円規模
よく財政運営で聞かれる、国債の依存率
これは、年間の政府収入高の内、国債の発行を財源とする比率がどの程度か、という指標だ。
本年度の予算では、国債発行総額が32兆5,562億円であったので、国債依存率は31.71%であった。
されど、この緊急予算による国債の増発で、当初予算成立時の31.71%から60%と急騰した。
本年度の財政収入の半分を超える金額を国債で調達し、資金繰りしたという結果だ。
バブル崩壊の起点となった、1991年12月26日のロシアショック
旧ソ連政府が発行した国債の償還がディフォルトした。
これは、旧ソ連政府が、国民や企業から借り上げた借金である、金利も元金も、そっくり全部、これを踏み倒した、ということだ。
当時、日本はバブル最高潮の時代で、ソ連の財政ディフォルトも、あまり受け止める世情でもなかったが、市場崩壊の地獄は、年明けの翌年から始まった。
現在のマイナスレートは借金の金利に苦労することはないが、元本の返済のほうは、到底容易ではない。
高度成長期のような物価上昇局面下であれば、元本の返済重圧は軽減化されるが
現在のような、物価が安定した局面では、借金の元本が、減圧されることは決してない。
残る2週間程度で迎える、この新年には穏やかな年明けであることを心から望むが、
なぜか、正月などの株式や債券の市場休場期間中に、相場のパラダイムシフトが起こることがある。
昨今、地政学的な緊張が高まっている台湾だが、中国は内需拡大による経済回復の発表を続けている。
日本円を含む、国家の通貨とは、金本位などの代価財貨との交換により、
その通貨価値が守られている時代であれば、通貨の下落はおこらないが、
1971年に起きた、ニクソンショックを思い出さずにはいられない。
現在、米中の経済戦争は、国際通貨をめぐる戦争とも見受けられる。
逆ニクソンショックといえる、金本位制度の復活。
その基軸通貨としての地位を、引き続き米ドルが確保し、安定した経済体制を保持することを切に望む。
■当会を主力とするベンチャー企業に投資
( on 2020/12/12号~2020/12/16;#2/2 )
社名を「株式会社オープンベンチャーファーム」とするベンチャー企業への投資を決定した。
資本金300万円と超小粒な会社だが、食品流通業界のバリューチェーンを構築し、当初、食材の受発注システムを開発。
法人の設立は、年明けの1月に定款認証を経て資金の払い込みを実施し、同月管轄の東京都千代田区で法人登記。
創業5か年のIPOを目指し、設立当初から定款も適応させた。
1.中期資本政策に基づき、株式の総発行数を9,900万株とした。
2.取締役会及び監査役会を保有する。
3.決算を通例化している3月31日とせず、12月31日とした。
4.特別決議を3分の1とする決議とする。
※第二期に予定する新株予約権(旧名称、株式オプション)発行の際は、定款を変更し対応する。
発起人総会を2021年1月5日に予定し、翌日の6~7日に定款の認証を予定
認証後、発起人より資金の払い込みを完了させ、1月8日に東京法務局へ登記の申請
+END
OIA協会トップページへ