■アメリカの大統領は、はたして誰が選ぶのか?
( on 2020/11/12号~2020/11/12;#1/1 )
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先週の3日から開票が始まった米国選挙、この文章を作成している日時は、2020年11月14日19時00分である。
開票が残る3州となった時点でトランプ大統領は連邦裁判所への提訴を開始し、最後のジョージア州で選挙不正問題を戦ってきた。
本日11月14日13時27分、ブルームバーグHPでのニュースによると「トランプ大統領陣営が最後の訴訟を取り下げした」とこれを報道した。
ここまでの流れは、混迷の続く米国選挙ならではの政治的混迷と理解できる。
この選挙での大きな課題は、2大政党制による選挙態勢にあるといえる。
選挙当日のニューヨーク州では、一階店舗の入り口は閉鎖され厳戒態勢を引く異様な光景であった。
また、米国内のガンショップからは、拳銃と銃弾が品薄になっている様子がニュースで配信されていた。
本当に国民が適正に選んで決めているのか、
または、各州の連邦裁判所が決めているのか、
それとも12日に選挙の正当性を表明したCISAのクリストファー・クレブス長官が決めたのか。
この一点は、民主主義の最も重要課題といえる。
王政なき民主主義国家における、治世のトップを選出する選挙である。
国内での議員選挙における、不正行為の提訴による裁判は全く記憶にない。
通常、国内でも開票は一般に公開され100%開票を待たず、選挙確定を先行し、選挙結果を報道するのが、常でもある。
1996年の衆議院選挙から導入された、日本の小選挙区制度の導入。
国内の世論は保守と革新に分断され、2大政党制という言葉が闊歩し野党が第一党に躍り出た。
また、この年の総選挙は社会党の村山内閣が総辞職し、所属政党の日本社会党の名前が消滅した時期でもあった。
小選挙区の制度は、1つの選挙区に1人の議員を選出する政治の制度である。
よって、選挙に当選するには「大衆の支持」が必須。
選挙権を有する国民の過半数を確保するのが選挙に勝つ命題であるが
正確な表現をすると、投票した人の数に対する過半数、これが正しい表現だ。
安定した得票支持母体のある小選挙区エリアにおいては、得票率は、より低いほうが当選確率は確実に上がる、これが小選挙区制度の特徴だ。
今回の米国選挙では、共和党は徹底的に浮動票を集めて集めて徹底して集め上げた選挙の様相であった。
日本の場合、浮動票を狙うのは、通常、野党革新がその主流となるのが必須だが、
米国ではなぜか共和党も浮動票を狙っているのが少し不思議でもある。
最後の開票となったこのジョージア州は、カトリック票の行方で勝敗を期す、といわれている州だったが、結果、僅差でバイデン氏が勝利した模様だ。
日本の選挙でも、開票率0.5%の段階で当選確定するが、1人区の選挙区であれば、当確の判定は出口調査で十分だという論理だ。
今回の米国選挙が参考となったが、1選挙区で1人を選出するこの選挙手法は、民衆の分断を生むリスクが内在すると警告する。
2大政党制は、野党勢力の拡大をイメージしてしまうが、少数政党の護持を可能とする中選挙区の制度を残すことが改めて重要と認識した。
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