文系の管理職が作るアプリケーションの逆転
発刊日:2025年2月12日
※この文章を音声データに変換、ボタンを押して再生ください。
2045年問題という言葉が瞬く間に消えた。時代は、AIを人類の味方に付け、社会の中で如何に活用できるかという視点へ移行した。当然のことである、ディープラーニングを進化させたところで、サイコロの出る目を100%予測はできない。コンピューターの限界があることを前提として機会を人が操作する。 |
労働力がコンピューターに奪われるというのは幻影にしかすぎない、18世紀の後半から始まった工場による自動化に始まり、20世紀の後半には仕分けの自動化や物流機能の自動化が急速に発展した。この21世紀に始まりを見せたのが、自動運転の自動車の社会だ。 |
ヘリコプターや飛行機、船舶、自動車とあらゆる移動手段が高度なGPSシステムを駆使し、全世界で始まろうとしている。本来、半導体に埋め込んでいる制御系のプログラムは全て理系エンジニアの牙城であった。最近のCMでも見受けする文系管理職による業務アプリの開発コマーシャル。 |
自動翻訳機の様に作りたいアプリを簡単に作れるソフトだ。コンピュータのプログラムを書き込むときに使用するのが言語だが、その言語が中々の曲者である。コンピュータの世界は、物理的にローカル領域、アクセス管理領域、公衆回線領域、衛星回線領域、などの様々な機能を持つ通信領域で使用される。 |
よくデーターベースという言葉が汎用されているが、このデータベースにも機能目的に合わせて、WIndows社がMicrosoft SQLSERVER、Oracle社がOracleDBやMYSQLなどと、大手のIT企業がお抱えのDBを抱えてきた。このDBは情報の格納庫で、アプリで入力したデータを大量に保管するのがその役割だ。 |
さて、理系分野の専門領域であったコンピューターの世界に"なぜ文系スタッフが急拡大しているか"その疑問に訴求する。前回の本誌でもコメントしたが、AIプログラムがデビューし、OpenAIなどによる新興勢力による急拡大した時期とほぼ重なっているのが事実だ。 |
設計図がなければシステムの開発はできない。今、IT業界が求めている人材を例えると、図面がなくとも家を作れるデザイナーの大工さんが急浮上した。ビジネスの世界で需要と供給の時間軸が逆転したのだ、冒頭の文系の管理職が作るアプリケーションとは、家のデザイナーがAIの設計士を使ってロボットが家を建てるというイメージだ。 |
文系の頭脳がアプリに生かせる時代となると、コンピューターの世界は激変する、いや、激変どころではない、CPの世界がブラックホールに飲み込まれ、次世代のビッグバンがこの世を作るような変革だ。従来、理系エンジニアの査定ポイントは"効率性"だ。これからの文系エンジニアに求められているのは何か、それが"アプリの構想"だ。 |
現場の文系管理職は、離職率を減らし、労働生産性を高めるという"効率性"を求められてきたが、そのシステムを理系エンジニアが作り上げてきた。理系の役割は仕事を数値化し、業務を効率化することで、社会の目標を達成してきた。ノーコード(開発プログラム言語)でアプリを作れることで、理系の頭脳不要で、何をどう作るかを文系の頭脳で仕事を楽しむ |
従来から、IT業界でもゲームなどのアプリ開発する舞台は、おそらく文系メンバーが中心となり、商品やサービスの開発が進んできたと思われる。AIにとってコンピューターのプログラミングなど、論理と体系が固定している要件さえあれば、瞬時に必要なコードを制作できる。 |
仮に、優秀なエンジニアが莫大な予算を積み膨大なシステムを構築したとする。指定サーバに搬入をするとなぜかシステムが稼働しない。コンピューターの世界は初期導入が一番大事でかつ必要不可欠な責任だ。通常、開発には開発用のサーバを設置し、出来上がったシステムを一度、本番のサーバを停止させ、新しいプログラムをインストールする。 |
現場でシステムが稼働できないと、納期も遅れ、納入会社の信用問題となるは必須だ。当然、試験サーバでの稼働テストは完了し、一切のシステム上のバグは残存していないケースがほとんどだ。されど、この検証は試験サーバでの検証で、導入時の本番サーバではない。このような原因不明のシステムトラブルは日常茶飯事で、百万レコードもある大規模なシステムプログラムでも、たった半角英数の1文字でもコードを打ち間違えるだけで、システムは全く稼働はしない。 |
新しい時代は、このシステムのバグ出しに始まり、インストール前に本番サーバの環境テストを精査に処理し、あらゆる事情と現象を瞬時にチェックし、マスターコンピューターロボットの○○君が声に上げて教えてくれる時代が時機に来る。理系エンジニアたちのコンピュータのプログラム能力で何ができるかを競い合う時代から、文系スタッフが中心となり、何の能力をコンピュータに持たせるべきかを競い合う時代となる。 |
2045年問題は全く心配ない、決して機械や装置に愛着を持つのは否定しないが、精神的な支配が一抹の不安だ。AIの頭脳を持つロボットや装置に選挙権や居住権などの人格権を付してはならない。この境界線を見失った時に2045年問題は瞬時に登場し、人類社会の崩壊すら招きかねない危険な因子となる。 |
※この文章を音声データに変換、ボタンを押して再生ください。
国内外の経営者もしくはこれからベンチャー企業を目指す将来の経営者予備軍の方々へ向け
毎月12日にネットでの限定発信により、2020年1月~毎月「しんか」をご提供しております。
>
OIA協会トップページへ