
AIの頭脳は労働者を駆逐してしまうのか?
発刊日:2026年1月12日
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2045年、AIが人間の知能を遥に凌駕する。これは、今から20年前に米国の人口知能研究の世界的権威であるレイ・カーツワイル(Ray Kurzweil)が2005年に出版した「The Singularity Is Near(邦題:ポスト・ヒューマン誕生-コンピューターが人類の知能を超えるとき)」 をベースにした有名なメッセージだ。 |
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今から20年前の段階で席巻する現在のAI改革を予期していた。これは予言ではない、AI技術の世界的権威が40年後に起こる社会の変革を予期していただけに過ぎない。当時、この学者は人類の知識を集約し、AIに知能を付ける目的として言語の問題に着目した。その折、世界の人々が使用する言語の翻訳機能を有するグーグル社との協定を結びSNSユーザの使用言語を英語に翻訳し、AIに言葉を学習させた。 |
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世界の言語を集積したこのホストAIは、身に着けた言語理解能力を活動させ、人類の思考パターンを標準化させた。すべて英語で習得したことから、米国でのAI対応能力は格段とずば抜けているのはこの背景からだ。日本語に対する理解力がまだ発展途上であることから、日本語に対するAIの学習能力はまだまだ始まったばかりだ。日本語でAIを使っても日本人はまだピンとこない。 |
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AIはディープラーニングという頭脳の基礎的な学習能力からスタートし、今はフィジカルAIへと段階がシフトした。ディープラーニングでは蓄積したビッグデータを活用して標準的な回答を論理的に蓄積する。現在では、ロボットの目(カメラ)に移る画像データをホストのAI(頭脳)で認識し、ロボットの足や手を動かす命令をAIが判断する技術が日々進歩している。これが今主流のフィジカルAIの学習方法だ。 |
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人間が書いたプログラムで機械を動かすのではなく、ロボットの目が見た画像データをAIの頭脳が認識して、自分の体を動かす判断をする。と同時に間違えたときのエラー処理を認識し、2番目に稼働プログラムを作動する。人間の判断を一切不要とし、ロボットが勝手に働くのである。レストランや仕分け倉庫などでは既に出勤して毎日24時間休まずに働いている。 |
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資本論という経済学の書籍があった、旧プロイセン王国時代のカールマルクスが書いたものだ。ここで資本論を評価する気はないが、賃金は労働力の価値に対する金銭的な評価であるという概念がある。法人の剰余価値は労働者のものであるという主張だ。日本の大企業の剰余金が約600兆円を超えるといわれている。マルクスの理論を礎とすれば、全て労働者へ還元することが正論となってしまう。 |
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但し、日本国は立憲君主制度を政体とする資本主義の国である。大統領制を政体とする米国は完全に開かれた資本主義を実施している。結果、米国の株式市場では上場企業の余剰収益は可能な限り配当へと還元している。これは法人の剰余価値(利益剰余金)は可能な限り資本家へ還元されている。その経緯から、日本企業の平均PBRとNYのSP500種とは約3.5倍と格段の開きが生じている。 |
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日本の企業は法人の収益を今一つ社会へ還元していない。労働者へ全額還付せよとは言わないが、東証が促進する配当金の増額も然り、600兆円にも及ぶ剰余金を企業に留めているのは、我が国の実質の経済成長率が拡大しない原因の一つだ。「風が吹けば桶屋が儲かる」という古い言葉の通り、お金が動いて経済が回るのが資本主義である。 |
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では、AIが企業や団体の収益向上ばかりではなく、労働者にとって少しでも有意義な役割は果たしてないものなのか、今後、AIは主にロボットとして労働力となることが必須だ。マルクスの経済原理からAIロボットを解析すると、企業の収益(余剰価値)はロボットの労働力が凌駕してしまうという論理にもなる。ロボットの生産メーカーや運用保守サービスを行うAI企業に、元来の労働賃金が集約され、沈没していくやも。 |
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1965年にブラックホールの特異点定理を発表したスティーブン・ホーキング博士もこの2045年問題について意見を表明している。彼は、AIをどのように使うかで、人類の命運を決すると公表している。則ち、2045年にはAIが築き上げたフィジカルAIによる生産力の極限状態だけではなく、人類の社会に対するフィジカルAIの活用方法の事である。AIで学習し優秀に働くロボットの優劣を付け、現場の小さなロボット社会も誕生してしまう。 |
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2045年問題のカギは、ロボットに対する人権の発生だ。世界の各国でSNSが政治に悪用され、民主主義がおかしくなっていいるのも事実だ。ロボットは優秀は装置であって、人権を有する「人」ではない、これからの政治はこの本質を見極め、外国人に対する参政権どころではなく、ロボットに対する人権の付与は決して行ってはならない。身近な課題はロボットの組合や労働権利などとロボット(生産する装置)に対する権利の法制化がその入り口だ。 |
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政策でロボットを法制化する段階で、ロボットの定義を国が定めることが肝要だ。その定義づけにより、ロボットを動かすAI頭脳に活動を制限させるのも一案だ。企業の生産とサービスを請け負う就労者ロボットして位置付ける。高齢者対策のお話相手ならば、保険や国の予算で無償提供するサービスも然り、、自立した人格権さえ、国家が認めなければ人類の救世主になるやもしれない。 |
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